指先のイメージ
(松田修「酷愛偽装譚」について)

 何かこう・・・・江戸時代の情死ものを連想させるような題名。
 「あんたのために指詰めたのよ」みたいな。(独り言です。)
 実態は、真山青果という何とも爽やかなお名前の方に関する評論文。
 (お名前は爽やかですが、作品は「爽やか」とはほど遠い。)
 性病を患い見るも無残な姿(病気は眼や歯にまで及び、歯は風にあたっただけで砕け落ちるという状態)であるにも拘らず、「美しい指先」でぼろぼろの歯をいぢくる・・・・真山青果の「南小泉村」中の「馬盗人」には、このような青年が描かれています。
 松田氏は、その青年の描写を「これは尋常一様の描写ではない」とし、「美しい指先」という表現に着目するところから論を展開・・・・
 はい、展開するんです。が、
 問題は松田氏の文章、でございます。
 「どうして評論なのにこんな色っぽい雰囲気が漂っちゃうのか?!」
 そんな文章。
 そりゃ確かに、論じる対象自体がそういうもので、んで評論自体もそういうふうになっちゃうってのもあるんでしょうが。(指示代名詞多すぎ。)
 しかしそれにしても、異様に色っぽい。
 なんかドキドキさせる文章が次から次へと飛び出してくるわけでして。
 「下手なエロ小説(おい;)読むぐらいなら、松田氏の評論を読んだ方が数百倍興奮できる!」
 「お下品な露骨描写を一行読ませられるよりも、上品で遠回しな表現を数行読まされた方がどぎまぎする!!」
 という。例えですよ、例え。それぐらい色っぽいっちゅーことです。
 もう、本当に好きなんです。こんな文章が。(耽美派評論文?)
 で、体中ぼろぼろな青年の「美しい指先」から始まった「なぜ?」の追究は、やがてそれを書いた当人・真山青果の指にまで及び・・・
 松田氏の色っぽい文章攻撃はとどまるところを知りません。
 いや、だって、指先がどうの、とか言ってる時点でなんかヤらしいじゃないですか(^^;

 ※かなり勝手なことを書いております。
  表現も誇張気味、というか暴走気味です。
  上の文章を鵜呑みにしてはいけません。(誰もしません。)

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